水彩画風に描かれたグラフィックが特徴的なアドベンチャーゲームの『Dordogne(ドルドーニュ)』。
夏休み系ゲームが好き&水彩の感じが好みだったのでプレイしてみました。
この記事では、『Dordogne(ドルドーニュ)』(Switch版)について、どんなゲームなのか遊んでみた感想を交えつつ紹介していきます。
どんなゲーム?
彼女は祖母の家があるフランス・ドルドーニュ地方へと向かっていた。
祖母がミミに渡したいものとは一体何なのか。
なぜ父親は引き止めるようなことを言ってくるのか。
現在のおばあちゃんの家を探索しながら、ミミは子ども時代のことを思い出していく……。
といった感じのストーリー。
『Dordogne』は「大人のミミ」と「子ども時代のミミ」を通して、家族に起こったことを紐解いていく、ストーリーがメインのアドベンチャーゲームです。
ゲーム開始後のアレコレは一見シリアス系のゲームのようにも思えますが、このゲームは「おばあちゃんの家で過ごしたあの夏の体験」が中心であり、いわゆる「夏休みゲーム」っぽさがあります。
このゲームでできること
このゲームには、大人ミミのパートと子どもミミのパートが存在します。
大人パートで鍵となるものを調べると回想シーンとなり、子どもパートへと移行します。
【大人ミミ】
・おばあちゃんの家を捜索することがメイン
・メールの確認ができる
・手紙の収集、確認ができる
【子どもミミ】
・おばあちゃんの家で過ごすことがメイン
・ストーリー上で夏休みっぽいことができる
・バインダーを使用できる
・落ちているステッカー集め
・ワード集め
・ポラロイドカメラでの写真撮影(場所限定)
・レコーダーを使っての効果音採取(場所限定)
・ストーリーを進めるとバインダーで日記のようなページ作成ができる
- ステッカー、写真、効果音、ワードからできる3行詩を選んで簡単な日記のようなものを作ることができる機能
- 使用できるアイテムは、そのチャプターで獲得したもののみ
- バインダーが使用可能になってから作成可能
- ストーリー上で作るタイミングのほか、好きな時に作成可能。前の日までのページも作成できる
【収集要素】
◆手紙(大人ミミの時に回収可能)
◆ステッカー
◆ワード
◆カセットテープ
◆効果音(レコーダーを使用)
手紙以外はバインダーで確認することができます。
収集したものはバインダーでのページ作りで使用することができます。
良かった点&気になる点まとめ
・日本語吹き替え対応
・情報を集めて推測する楽しみがある
・クリア後は自由にバインダーを見ることができない
・ストーリー進行は基本的に「戻る」ことができない
・動作の手順とスティック操作が多い
以下で詳しく述べていきます。
【良かった点】
・水彩風のグラフィックが素晴らしい
絵本の1ページがそのままゲームになったようなグラフィックであり、まるで水彩画の中を動かしているようでした。
大人時代はセピア調で表現され、対して子ども時代は明るい色で表現されています。
この色彩感が素晴らしく、特に子ども時代は瑞々しい色で鮮やかに描かれているのが素敵でした。
背景はアナログ感のある2Dであり、人物は3Dとなっています。面白いグラフィックです。
・日本語吹き替え対応
海外のゲームですが、珍しく日本語ボイスがあります。
字幕ON・OFFが設定可能。
・情報を集めて推測する楽しみがある
プレイヤーが収集できる手紙やテープ、オブジェクトを調べると語られる一言など断片的に情報が点在しているのですが、それらをつなぎ合わせて考えることで、登場人物の人となりや人間関係などを推測することができます。
はっきりと語られないことも多いので、あくまでも背景を「想像する」に留まってしまう内容が多いのですが、調べることができるポイントはいろいろあり、チャプターが変わると台詞が変わったりと、調べれば調べるほど、ぼんやりとしていた輪郭が次第にはっきりとしてくるような感覚が味わえます。
【気になる点】
・翻訳が所々不自然
例えば、冒頭のボイスで「最初の記憶は何だっけ?」と言っている部分が、字幕では「あなたの最初の記憶は何?」と表示されていたりと、ボイスと字幕が異なっている部分が所々で見られます。
また、料理の時にバター?ラード?のことを「脂肪」と言ったりという不自然さや、登場人物の口調が一定でなかったりするなど、言いたいことはわかるのですが翻訳の甘さが気になりました。
・クリア後は自由にバインダーを見ることができない
自分で作ったページや収集要素の確認など、思い出の詰まった「バインダー」ですが、クリア後に自由に見ることができません。
ギャラリーモード的なものが欲しかったですね。
※アプデで「チャプター選択」が追加されたため、チャプター7以前に戻れば中身を確認すること自体はできるようになりました。
・ストーリー進行は基本的に「戻る」ことができない
ストーリーの鍵となるものを調べると次のシーンに進むのですが、「あ、待って!あそこまだ調べてなかったのに!」ということがあっても、「戻る」ことができません。
また、チャプター選択もできないため、収集要素を取り逃した場合は回収不能です。
※タイトル画面に「チャプター選択」が追加されたのを2023年8月7日に確認済み。
これにより、取り逃した収集要素を回収できるようになりました。
また、収集物が全部でいくつあるのかもわかるようになりました。
・動作の手順とスティック操作が多い
例えば、鍵のかかったドアを開ける時は、
①鍵を鍵穴に差し込む
②差し込んだ鍵を回す
③ツマミを回す
④ドアを押す
という工程を通ります。
この時、スティックを使って回したり、開く方向にスティックを倒したりと、ほどんどの仕掛けを操作するときはボタンポチだけではなく、スティック操作が必須となります。
臨場感があるとも言えるのですが、いちいち操作を挟むのでせっかちな方にはテンポが悪く感じられるかもしれません。
まとめ
プレイ前は「海外版ぼくのなつ〇すみ」のようなゲームかと思っていたのですが、自由に過ごすタイプのゲームではなく、ストーリーを追っていくタイプのアドベンチャーゲームでした。
「あの夏」に何があったのかを思い出していくゲームであり、子ども時代がメインです。
最初はミミとおばあちゃんの様子をドキドキしながら見守っていましたが、おばあちゃんの家で過ごす日々は眩しくとても鮮やかで、夏らしさでキラキラしていて、とても素敵でした。
ストーリーが気になって駆け足でプレイしてしまったため、収集要素をコンプすることができなかったのは悔しかったのですが、ゲーム的な収集要素に躍起になるよりは「おばあちゃんと過ごすこの夏」をじっくり味わうスタンスの方が、このゲームを楽しめるのではないかと思いました。
また、物語の背景事情が気になる方は隅々までじっくり探索することをおすすめします。
クリアまでは4~5時間の短めのゲームではありますが、急いでプレイするよりはじっくり楽しめる人向けかなと思います。
ゲームに関しては色々と痒いところに手が届かない部分はありますが、グラフィックは今までにない素敵なゲームなので、トレーラーを見て「好きかも!」と思った方はプレイしてみてはいかがでしょうか。