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牧場物語 オリーブタウンと希望の大地(アプデ済)|実際どうなの?シリーズ経験者が遊んだ感想

2021年に発売された牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』

牧場の他に開拓要素を取り入れており、牧場のレイアウトがより自由になった本作品ですが、発売直後の評価はかなり厳しいものでした。

2021年のアップデートで色々改善されたということで、2023年2月に実際にプレイ。この記事では、率直な感想や過去作との違いをまとめています。

 

▶これを書いている人

牧場物語シリーズは全部とはいかないものの、過去作は9本ほどプレイ。
ゲーム時間の1~2年でほぼ遊び尽くしてしまう、ガツガツプレイタイプ。

ここ数年だと、『再会のミネラルタウン(2019年 Switch)』、『3つの里の大切な友だち(2016年 3DS)』をプレイ済み。オリーブタウンは初プレイ。

※この記事では、ニンテンドースイッチスクリーンショット機能を使った画像を掲載させていただいています。

 

はじめに

そもそも、オリーブタウンはどうして低評価されてしまったのか。
当時の記憶や2023年の購入前にさっと調べた感じだと、

  • ロード時間が長い。とにかく長い!
  • 立ち絵がない。キャラクターの表情がわかりにくく、感情移入がしにくい
  • 住民のセリフのバリエーションが少なくワンパターン

と、いうのがマイナス点として挙げられていました。


これらに関してはアップデートで改善されています。

  • ロード時間が長い
    →現状、マップ間の移動は7~9秒。個人的には気にならないレベル。ガクガクと処理落ちしていることはある。

  • 立ち絵がない
    →「おはなしカメラ」の導入。会話時にキャラクターの顔がアップになるシステムが追加。設定でON・OFF切り替え可能。

  • セリフが少ない
    →セリフの追加、修正

とにかく、移動中のロードについては致命的な部分であったので、ロード時間が改善されたことで「普通に遊べるゲームになった」と思います。
(※ただし、プレイ中に既にあるデータを「ロード」で読み込む場合はめちゃくちゃ時間がかかります)

▼参考までに、二年目春のロード時間はこんな感じ↓

ある程度満足するまで遊んだ自分のプレイ時間は約60時間。2年目夏。街の発展完了&水耕プラント作成済。

遊んでみた感想としては、「不満点はあるものの、それでも熱中して数時間ぶっ通しで遊んでしまうゲーム」でした。夕食後にプレイを始めて、気がついたら日付が変わっていたなんてこともしばしば。

結局ですね、なんだかんだありつつも、のめり込んでしまった感じです。

次は何しよう、次はあれを貯めよう、あの部分に道を敷いて花畑を作ろうか果樹園を作ろうか…などなど、開拓要素はやはり夢中になってやってしまいますよね…!

 

さて、以下で率直な感想や過去作との違いを具体的にまとめていきます。
そこそこ辛口。過去作と比べがちです。
今作は「完全新作」だったので、3つの里の良いところを継承しつつ…かと思ったのですが……詳しくは後ほど。

 

今作の良かった点&マイナス点まとめ

 
良かった点
・カメラ機能が楽しい
・鉱山が易しくなった
・作物や動物の世話がラクになった
・牧場の開拓ができ、好きな場所に施設を置ける
 
気になる点
・牧場要素の簡略化&祭りの削減
・惜しい開拓システム
・アイテム生成・収納周りの不便さ

以下で詳しく述べていきます。

 

【今作の良かった点】

1.カメラ機能が楽しい

カメラモード。主人公からはこう見えているらしい ©2021 Marvelous Inc.

常に斜め見下ろし視点であった牧場物語に革命が起きました。
主人公目線で眺めることができて、かなり新鮮です。写真を撮るだけでなく、カメラを構えたまま(主人公視点のまま)移動することもできます。
横に飾ってある壁のアイテムなどもじっくり見ることが可能です。保存枚数は10枚。

 
2.鉱山が易しくなった

これまでだと、岩を砕いて鉱石を集めつつ、地面を掘って階段を探す必要がありました。
時には地面を踏んで落とし穴に落ちたりすることも……運が悪いと落ちた時のダメージで体力が0になり強制帰還でした。

ですが、今作は梯子が始めから見えているor岩を砕いたら出るシステム。落とし穴も同様です。
不意打ちで穴に落ちることもなくなり、普通に鉱石集めをしていたら梯子が発見できます。かなり優しい。

鉱山でのアイテム収集はかなり重要な要素なので、この点がラクになったのはとても助かりました。
ただし、簡単!とは言い切れません。鉱山内でセーブできない、かつ邪魔者が出てくるのでそれなりに厄介さはあります。

 
3.作物や動物の世話がラクになった

①作物、動物の細かいパラメーターの撤廃

従来通りの☆いくつの品質はありますが、3つの里で存在していた細かいパラメーター(色つや、水分量、毛並み等)がなくなったため、肥料やおやつを与える必要がなくなりました。
人によっては物足りなく感じる部分かもしれませんが、個人的には面倒に感じていたので、のんびりできるようになった点はよかったです。

しかしこれに関しては、良い点か悪い点かは微妙なところです。人によって意見が分かれる部分だと思います。

 

②水やりが超ラク

スプリンクラーを設置しておけば、毎朝自動で3×3(中心は除く)のマスを水やりしてくれます。
驚くことに、今作はじょうろをほぼ使いませんでした…!

 

③放牧がとてもラク

小屋入り口のベルを鳴らせば自分から出てくるので、手間がかかりません。
日が暮れると自分から小屋に入りますし、ベルを鳴らせば任意で早めに入れることも可能です。

昔のシリーズだと、一頭ずつ小屋の外へ押したり、手持ち道具の「ベル」を鳴らして小屋から出し入れしたりする必要があったので、かなりラクになりました。

 

④動物用の道具がなくなった

動物に話しかけると、自動で搾乳したり、毛刈りをしたり、ブラッシングをします。
ブラシや乳搾り器、毛刈り鋏を購入しなくても使えますし、道具の持ち替えがないのでラクです。

ただし、ブラシや乳搾り器、毛刈り鋏を使ったときにちゃっかり体力は減っている模様。

 

⑤道具を使用しても動物にダメージがない

斧やハンマーなどは動物に当たらない仕様なので、近くで振り回しても大丈夫です。

 
4.牧場の開拓ができ、好きな場所に施設を置ける

3つの里でも同じようなシステムがありましたが、今作では「道」や「柵」を置けるようになったため、広大な放牧地や囲われたスペースを作ることが可能です。

 

【今作のマイナス点】

超ざっくり言うと

1.牧場要素の簡略化&祭りの削減
2.惜しい開拓システム
3.アイテム生成・収納周りの不便さ

が挙げられます。

 

1.牧場要素の簡略化&祭りの削減

水やりや動物の世話が簡単になったのはよいのですが、その分今作では肝心の牧場要素が薄くなってしまった印象があります。

具体的に言うと、
・動物の世話の簡略化
・作物、動物の品評会がない
・作物、動物の細かいパラメーター(色つや、水分量、毛並み等)がない
…等が挙げられます。

毎日ブラッシングをする必要がなくなったり、放牧が簡略化されたりしたことで、動物の世話に時間が取られることがなくなったのですが、手塩にかけてコツコツ動物を育てている感じは薄れてしまいました。

細かいパラメーターについては、個人的には3つの里で面倒に感じていた部分だったので、今作で簡略化されたのは一概にマイナスではないのですが、品評会の存在がなくなってしまったのはかなり残念です。

1年目では好成績を修めることは難しいので、時間をかけてじっくり育てて優勝を目指したり、優勝することで作物のランクが上がったりする……という楽しみがこれまではあったのですが、今作では全くありません。

また、料理祭などの作物を使った祭りも一切ないので、せっかくの牧場なのに……という感じがします。

お祭りイベントも全体的に数が少なく、月に2つの祭りしかありません。まさかの年越しイベントもありません。さみしい……。

 

2.惜しい開拓システム

①エディットモードがない

3つの里では専用のエディットモード(時間経過なし)があり、エリアを少し遠目から見た状態で物の設置や撤去ができましたが、今作では専用のエディットモードがないため、日数をかけてちまちまと作業しなければなりません。

 

②設置可能&不可能な場所がわかりにくい

実際にアイテムを掲げないと置けるか置けないかのエリアがわかりません。
また、エリアが真四角ではないため、場所をめいっぱい使おうとすると道や柵がガタガタになってしまう箇所ができてしまい、ちょっとモヤモヤします。美しくない…。
じゃあ、無理に置かなければいいのでは?と思いますが次を参照。

 

③エリア1・2の自然物(雑草・木・水たまり)の復活が早い

材料不足にならないようにという配慮なのは承知の上ですが、何も置いていない場所に容赦なく生えてきます。
柵で囲った中にも生えてくるので、自然の緑を生かしたいと思っても結局道を敷き詰めることになってしまいました……。

物を置けるエリア外にも容赦なく生えてくるので、柵などをエリアぎりぎりに置いていると木や岩に進路妨害をされます。かなり邪魔です。

 

④放牧した動物が柵の外に出てしまうバグ

柵で囲う範囲が狭すぎると、放牧時に柵の外に出てしまうことがあります。
今作では、大きな動物を任意の方向に押したり、小さな動物を手で持ったりすることができないため、上記の放牧バグで狭いところにいってしまうと不便です。

柵で囲んでいるのに、外に出てしまった図 ©2021 Marvelous Inc.

⑤敷いた道の上に物が置けない

○○メイカーやベンチ、飾りなどをタイルの上に置きたいと思ってもできません。

 

⑥設置物の向きが固定。横向きにできない

小屋などを横向きに設置したくてもできません。ベンチですら横向きにできません。設置物は全て向きが固定です。
せっかくレイアウトの自由度が増したのに、勿体ない……。

ちなみに、3つの里では設置物に品質を上げる効果が付与されている場合があったため、物の向きは非常に重要でしたが、今作の置物には効果はありません。

 

⑦○○メーカー

アイテム投入ですぐ生成できていた昔のシリーズとは異なり、一つのアイテムにつき必要な素材が○個・所要時間が○時間と決まっています。
レアなアイテムほど所用時間が長くなるので、結局、早く進めたい人はメーカーを大量設置&起動になる訳ですが、牧場の一角がメーカーに埋め尽くされる事態に陥ります。
さらに効率も考えると、大量の道具箱&大量のメーカーが出荷箱近く=自宅前に密集なんてことになりがち。
依頼で膨大な数を要求されたりもするのですが、いつになったら終わるんだろう…という感じで途方に暮れてしまいます。

効率を考えると、こういう事態に陥りがち ©2021 Marvelous Inc.
 

3.アイテム生成・収納周りの不便さ

①収納が少ない

とにかく収納が少なく、とにかく不便。
これまでのシリーズで自宅にあった道具箱がありません。収納は自分で作成する「アイテムボックス(つまりは道具箱)」か自宅に備え付けの冷蔵庫です。
飼い葉はサイロにも収納可能ですが、サイロをたくさん置かないと保存容量が増えません。

 

②道具箱が共通ではなく個別

たくさん収納が欲しい場合は「アイテムボックス」をたくさん作って外に設置するしかありません。
その時点でもう不便なのですが、道具箱の中身は全箱共通ではなく、一つ一つが個別です。
色を変えて、自分で中身の区別がつくように覚えておかないと、どこに何が入っているのかわからなくなってしまいます。

 

③入れ替えの煩雑さ

道具箱の道具を移したいときは、直接自分で出し入れしなくてはなりません。
さらに、道具箱自体の設置場所を変えたいときは、道具箱を一度撤去しなければならないのですが、中に収容されているアイテムは床に中身をぶちまけた状態になります。
床にぶちまけられたアイテムはその日中に回収しないと消滅してしまうため、かなり厄介&面倒です。

別のゲームですが、今作の道具箱は『マインク○フト』のチェストと同じ仕様といえばわかりやすいかも。(2つ繋げて大きくしたりはできません)

 

④道具箱に入っているアイテムは依頼達成時にカウントされない

道具の作成やお店への作成依頼、掲示板での依頼達成報告などの時には手持ちアイテムしかカウントしてくれません。
何が何個いるから、どの箱からどれを何個出して……という手間が発生します。
しかも、街の依頼掲示板は「街の一番奥(市役所内)」のため、掲示板で依頼確認→牧場から取ってくる→掲示板で依頼報告になり、非常に面倒です。結局、イベント依頼以外はほぼやりませんでした。

 

⑤冷蔵庫が使いにくい&容量が少ない

冷蔵庫では別ページに入った同じアイテムは、別アイテムとして処理されてしまうので自分できちんと整理する必要があります。
作物の種類が多いので、そもそも容量が足りなくなりがちな冷蔵庫ですが、ランク違いの作物をまとめることもできないので、きちんと整理しなければ全然収納できません。というか、整理しても入りきらないので、やむなく外の道具箱行きになる一部の食材たち。

しかし、料理をするときには冷蔵庫の中身か手持ちの食材しかカウントしてくれないので、外の道具箱行きになったアイテムは、必要に応じて手持ちに入れてこなければならないのです……。面倒。

 

その他、気になる点

  • 3つの里で使えた「簡易挨拶」がなくなっていて非常に残念
  • 料理が一個ずつしか作れない。かつ時間経過あり。大量に作るには大量の時間が必要
  • 料理にはプラス効果があるみたいだが、わかりにくい
  • 出荷箱に投入できる枠に上限あり
  • おはなしカメラで顔がよく見えるようになったものの、話しかける度に顔のアップを挟むので、途中から煩わしくなった。ON・OFF切り替えができて本当によかった。が、立ち絵があれば済む話だったのになあと思う。
 

まとめ

発売当初は主にロード時間の不満ばかり聞こえていたので、アプデによってロード時間が解消されたのならば普通に楽しめると思ったのですが、ゲームとして遊べるものの、個人的には道具箱や開拓関連の不自由さが気になりました。

目玉であったはずの開拓要素ですが、自然物の復活位置や思ったより自由度の少ないアイテム設置など、惜しい点が目立ちました。

また、肝心の牧場要素が簡略化されているのは良い点もありますが、悪い点もあり…。

牧場運営が楽になったのはよいのですが、せっかく育てた作物や動物がイベントで活躍する場面が少なく、牧場物語を遊んでいる感が少し薄れてしまったと思います。

しかし…しかしです。気になった点はいろいろあるものの、「きちんと遊びきってから感想を」と思ってプレイしていたら、最終的に60時間も遊んでしまいました。なんだかんだ言いつつも、それだけの時間を費やしてしまうぐらいには面白いんですよね。
やはり自由に開拓したり作っていくタイプのゲームは、次はあれをしよう、これをしようと熱中してしまうものです。

本当に面白くなかったら、ここまで一生懸命プレイしないはず ©2021 Marvelous Inc.

最初でも述べましたが、自分にとって『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』は「システムなどの不満点はあるものの、それでも熱中して数時間ぶっ通しで遊んでしまうゲーム」でした。

次回作がよりよい作品になってくれればよいなあと思います。